sus316 と sus316l の 違い

今回の記事では、sus316とsus316lの違いについて詳しく説明します。

sus316とsus316lの違い

sus316とsus316lは、両方ともステンレス鋼の種類ですが、以下の点で異なります。

  • sus316は、一般的なステンレス鋼であり、主に一般的な環境下で使用されます。
  • sus316lは、sus316に比べて低炭素のタイプであり、熱処理によって腐食性を低減させることができます。
  • sus316lは、化学的により不安定な環境下や高温環境下での使用に適しています。
  • かつては、sus316が厳しい腐食環境においても使用されていましたが、sus316lの登場により、より優れた耐腐食性能を持つ鋼材が利用できるようになりました。

以下の表は、sus316とsus316lの物理的特性についての比較です。

特性 sus316 sus316l
密度 8.00g/cm³ 8.00g/cm³
引っ張り強さ 515MPa 485MPa
降伏点 205MPa 170MPa
硬さ(ロックウェル硬度) HRC 95 HRC 95

熱処理による変化

sus316とsus316lのもう一つの違いは、熱処理による変化です。

sus316は、高温での熱処理により、結晶粒が成長してしまうことがあります。これにより、耐食性が低下する可能性があります。

一方、sus316lは、低炭素の特性から、高温での熱処理によっても結晶粒の成長を最小限に抑えることができます。そのため、耐食性を保ったまま使用することができます。

sus316とsus316lの使用例

sus316とsus316lは、それぞれ独自の特性を持っており、異なる目的に使用されます。

  • sus316は、一般的な環境下での使用に適しています。食品加工、建築、化学プラントなど、さまざまな分野で利用されています。
  • sus316lは、より腐食性の高い環境や高温環境での使用に適しています。特に海水環境や酸性環境下での利用が多く、海洋装置や化学プラントのパイプラインなどに使用されています。

まとめ

sus316とsus316lは、ステンレス鋼の種類であり、異なる特性を持っています。sus316は一般的な環境下での使用に適しており、sus316lはより腐食性の高い環境や高温環境での使用に適しています。それぞれの特性を考慮して、適切な用途に使用することが重要です。